THOT01  ビーム診断・ビーム制御  8月1日 テルサホール 8:40-9:00
フィードバックによるSACLA加速器運転の安定化
Stabilization of SACLA accelerator operation by feedback
 
○家納 寛,藤本 賢治(スプリングエイトサービス株式会社 ),田中 均,原 徹(理化学研究所放射光科学研究センター)
○Yutaka Kano, Kenji Fujimoto (SES), Hitoshi Tanaka, Toru Hara (RIKEN SPring-8 Center)
 
SACLAでは電子ビームエネルギーをバンチ毎に制御し、XFEL運転を行いながら同時にSPring-8へトップアップビーム入射を行っている。ユーザー実験施設であるSACLAでは、ビーム入射を行いながら2本のXFELビームラインへ安定なレーザーを供給することが非常に重要である。しかしXFEL 利 用の普及と高度化に連れ、ユーザーからの要求はレーザー強度や安定性だけでなく、短パルス、空間プロファイル、二波長発振など多種多様になった為、レーザー発振が環境や加速器パラメータの変化に敏感になり、様々なモニタを見ながら運転員が加速器を手動で調整する従来の方法では、レーザー発振状態の安定維持が難しくなった。長時間同じレーザー発振状態を維持する為、どのモニタを使ってどのパラメータにフィードバックをかければよいか、日々の運転状態と各モニタを注意深く解析した結果、電子銃下流の丸穴コリメータを通過する電子ビームの電荷量変化がレーザー発振状態に影響を与えている事がわかった。磁気レンズを使用して電荷量を一定に保つことで、3段のバンチ圧縮器のCSRモニタが正しくバンチ長を評価できる様になり、上流から個別にフィードバックできる様になった。また、CSRモニタの出力をRFの位相フィードバックの入力として利用することも可能となった。本発表ではこれらのフィードバックによるSACLA加速器運転の安定化について報告する。