THOA02  真空  8月1日 アプローズ 9:00-9:20
J-PARC 3GeVシンクロトロン真空システムの維持管理
Sustainment of vacuum system in J-PARC 3GeV rapid cycling synchrotron
 
○山田 逸平,神谷 潤一郎(原研/J-PARC)
○Ippei Yamada, Junichiro Kamiya (JAEA/J-PARC)
 
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は1 MWの大強度陽子ビームを出力する加速器であり,大電流かつ25 Hzの速い繰り返しにより大強度を実現している.大電流なビームでも安定に制御するためにペイント入射手法によりビーム径を太くしているため,ビームパイプは大口径である.加速器の安定運転のためには,このような大容積な系でも超高真空に維持する必要がある.また,速い繰り返しの磁場中では渦電流により発熱や誤差磁場が生じるため,金属パイプが使用できない.このような真空システムへの要求に対し,輸送式ポンプであるターボ分子ポンプを放射線対策や長尺化することで主排気装置として使用したり,アルミナセラミック製の大口径ビームダクトを開発することにより,安定な1 MW運転に貢献してきた.しかし,J-PARC RCSは建設から15年以上が経過し,装置製作用機器の老朽化や製品の設計変更等により,建設時の製作手法・製作会社による安定な機器供給が困難となっている.安定な加速器運転に支障をきたさないために,現在,セラミックスダクトや真空ベローズ等の形状および製作手法の再検討を進めている.本発表では,今後のJ-PARC RCS真空システムの維持管理のための真空機器製作に関する再検討に関して報告する.