TFSP16  ポスター②③  8月1日・8月2日 3Fホワイエ
J-PARC加速器の現状
Status of J-PARC accelerators
 
○小栗 英知(J-PARCセンター)
○Hidetomo Oguri (J-PARC Center)
 
J-PARC施設は、リニアック、RCS (Rapid Cycling Synchrotron)およびMR (Main Ring synchrotron)の3加速器施設と、RCS からの3 GeV ビームを利用する物質生命科学実験施設(MLF)、MR からの30 GeV ビームを利用するハドロン実験施設(HD)およびニュートリノ実験施設(NU)の3実験施設から構成される。MRにおいては、2021年の夏から運転を長期休止し、サイクルの繰り返し周期を2.48秒から1.36秒に短縮する大改造を行った。2023年から1.36秒繰り返し周期によるビーム運転を再開し、同年12月にこれまでの最高となる760kWのビームパワーをNUに出すことに成功した。また、運転モードの異なるHDに対しても、大改造前の記録である65kWから80kWに増強することに成功した。RCSにおいては、ビームロス低減スタディを続けながら徐々にビームパワーを増強し、2024年4月からはMLFターゲットにほぼ定格の950kWのビーム供給を開始した。一方で、2023年4月と6月に2回、電源装置から火災が発生し、ビーム運転を長期間停止する事態に至った。本学会では、ビームパワー増強のプロセスや火災事象など、最近の加速器の運転状況について報告する。