TFSP09  ポスター②③  8月1日・8月2日 2Fリハーサル室
東北大学RARISのサイクロトロン加速器施設の現状報告
Present status of the cyclotron facility at RARIS in Tohoku University
 
○足立 智(東北大学 先端量子ビーム科学研究センター)
○Satoshi Adachi (RARIS, Tohoku University)
 
東北大学先端量子ビーム科学研究センター(RARIS)は、2024年4月に旧東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター(CYRIC)と旧東北大学電子光理学研究センター(ELPH)が合併して新たな組織として設立された組織である。RARISは、旧CYRICのサイクロトロン施設と旧ELPHの電子線加速器施設を引き継ぎ、従来の研究に加えて短寿命RI製造・供給の安定化と拡大を行い、研究者ネットワーク構築による幅広い学術研究を発展的に研究を推進することを目指している。RARISのサイクロトロン施設は2台のサイクロトロン加速器、930型AVFサイクロトロン及びHM-12型サイクロトロンを有しており、理工学およびライフサイエンスの研究に供してきている。最近では、大強度加速器中性子源による医療量RI製造プロジェクトであるDATEプロジェクトを推進するために、様々な核種を様々なエネルギーのイオンビームを提供する能力を維持しながら、大強度の負重水素イオンビームの加速と引き出しシステムを開発している。また、原子核・宇宙物理学的興味から、宇宙における炭素合成反応率のさらなる理解のために必要となる10 MeV単色中性子源の開発も行っている。本発表では、最近の加速器の運転・利用状況及びトラブル例の報告とともに、負重水素イオン加速、10 MeV単色中性子源の開発、並びに大強度ビーム照射試験ラインの計画についての概略を報告する。