TFSP07  ポスター②③  8月1日・8月2日 2F交流ラウンジ
UVSOR光源加速器の現状 2024
Status of UVSOR synchrotron in 2024
 
○林 憲志,太田 紘志,清水 康平,山崎 潤一郎,水口 あき,平 義隆(分子研 UVSOR),加藤 政博(分子研 UVSOR 広島大 HiSOR)
○Kenji Hayashi, Hiroshi Ota, Kohei Shimizu, Jun-ichiro Yamazaki, Aki Minaguchi, Yoshitaka Taira (IMS, UVSOR), Masahiro Katoh (IMS, UVSOR Hiroshima-Univ., HiSOR)
 
本施設報告ポスターでは分子科学研究所の放射光リングUVSOR-IIIの運転および光源開発の状況を報告する。稼働40年を超えたUVSOR-IIIでは老朽化の影響が各所に現れており度々運転停止が起きるものの、2023年度は年間36週のユーザー運転を予定通り実施することができた。 UVSORではユーザーコミュニティと次期施設計画について議論を深めている。2023年12月1日の40周年記念式典に合わせ、40周年記念冊子と次期計画のCDRを同時に刊行した。ポスターではそのコンセプトとラティスデザイン案について説明する。 2022年暮れから2023年春のシャットダウン期間をまたいで、ブースターシンクロトロンから電子蓄積リングへのビーム入射効率が著しく悪化した。放射線発生装置(加速器)に係る入射電子申請量の制限があるため、2023年度は蓄積電流を300mAから200mAへ下げて運転した。原因は調査中であるが、ブースターから取り出されるビームの質が悪化していることが懸念される。2025年春にブースターシンクロトロンを大気開放し原因の調査・修理を行う予定である。 光源開発研究では、逆トムソン散乱ガンマ線の開発や利用研究に加え、アンジュレータ光による光渦の発⽣やベクトルビームの発生、原子の量子状態制御、真空紫外域円偏光照射によるアミノ酸分子のキラリティ発現に関する研究等が精力的に行われており、単一電子蓄積を利用した放射光の時空間特性の研究においても成果が出始めている。