TFSP01  ポスター②③  8月1日・8月2日 1F大会議室
原子力機構-東海タンデム加速器の現状
Present status of JAEA-Tokai tandem accelerator
 
○株本 裕史,中村 暢彦,沓掛 健一,乙川 義憲,遊津 拓洋,松井 泰,中川 創平,池亀 拓麻,加藤 佑太,石崎 暢洋,松田 誠(日本原子力研究開発機構)
○Hiroshi Kabumoto, Masahiko Nakamura, Ken-ichi Kutsukake, Yoshinori Otokawa, Takuhiro Asozu, Yutaka Matsui, Sohei Nakagawa, Takuma Ikekame, Yuta Kato, Nobuhiro Ishizaki, Makoto Matsuda (Japan Atomic Energy Agency)
 
原子力機構-東海タンデム加速器施設は最高運転電圧が約18MVの大型静電加速器で、重イオンビーム等を用いた核物理、核化学、原子物理、材料照射などの各分野で利用されている。本発表では、2023年度における加速器の運転・整備状況及びビーム利用開発等について報告する。2023年度の運転状況としては、例年よりも運転日数が減少傾向となった。当施設は1982年より運転開始しているが、建屋のインフラの一つである水配管が経年劣化し、一部を更新するための工事に日数を要したためである。また、静電加速器の絶縁ガスとして六フッ化硫黄ガス(SF6)を使用しているが、経年劣化した一部のバルブの更新に日数を要したことも運転日数が減少した理由の一つである。整備関係では、実験室へビーム輸送するための振分電磁石の電源の故障が発生し、パワーモジュール素子の交換を行って復旧した。その他には、イオン源周辺の初段加速用の高圧電源(ターミナルECRイオン源の20kV電源、負イオン源の240kV電源)の故障が発生し、それぞれ素子交換等の修理を行って運転を継続した。また、ビーム利用開発としては、近年、宇宙用機器に使用する半導体等へイオンビームを照射するソフトエラー試験などの需要が高まっている。当施設としても、それらの需要に応えるために、試験に必要となる照射用チャンバー等の機器類やビームライン配置の検討を開始した。