FRP090  ポスター③  8月2日 3Fホワイエ 10:00-12:00
カソード背面レーザー加熱式三極管熱電子銃の開発
Development of a triode thermal electron gun with laser heating on the back of the cathode
 
○成田 大悟,林﨑 規託(東工大),佐藤 大輔(産総研)
○Daigo Narita, Noriyosu Hayashizaki (Tokyo Tech), Daisuke Satoh (AIST)
 
本研究では、電子加速器を用いた中性子発生に用いるための熱電子銃の開発を行っている。従来の熱電子銃は、フィラメントによるカソードの直熱または傍熱加熱により熱電子を発生をしている。そのため、電子銃の内部構造や高電圧回路が複雑であり、フィラメントの断線による大気解放を伴うメンテナンスが必要である。本電子銃は、カソード背面に高出力の連続光を照射することによって加熱する「レーザー加熱方式」を採用しており、従来のフィラメント加熱方式の熱電子銃に比べて電子銃並びに高電圧回路を簡略化し、フィラメントの断線による故障の可能性を排除することができる。 本研究では、カソード材として多結晶六ホウ化ランタン(LaB6)を採用した三極管熱電子銃を設計製作し、現状、レーザー出力127.6Wで6.5mAの電子ビームの発生に成功している。現在、電子ビームの大電流化に向けて、レーザー照射位置の最適化やカソード保持の検討、光吸収体の導入による高温運転を目指して研究開発を進めている。本発表ではカソード背面レーザー加熱式三極管熱電子銃の研究とその進捗について報告する。