FRP088  ポスター③  8月2日 3Fホワイエ 10:00-12:00
ATF最終収束ビームラインの高度化に向けたウェイク場低減効果の定量的評価
Evaluation of wakefield mitigation effects for upgrading the ATF final focus beamline
 
○阿部 優樹,久保 淨,照沼 信浩,奥木 敏行(KEK)
○Yuki Abe, Kiyoshi Kubo, Nobuhiro Terunuma, Toshiyuki Okugi (KEK)
 
KEK-ATFでは国際リニアコライダー(ILC)に求められる極小ビームを実現するための最終収束技術の検証とビーム制御、計測技術の研究開発が進められている。ATFは極小ビームに対するウェイク場の影響を詳細に研究できる理想的な研究環境である。ATFではバンチ強度を上げた際にビームサイズが増大するという現象が観測されており、その主たる要因はウェイク場とされている。評価の結果、ATFビームラインのベータ関数が大きな区間にインストールされている真空フランジや空洞型BPMなどの影響が強いことが示された。ウェイク源のミスアライメントに起因するウェイク場の影響は可動式のウェイク源によるカウンターキックを作用させることで、ある程度補正が可能である。しかしながら、完全な補正はできないためビームライン上のウェイク源を低減することも非常に重要である。現在、ウェイク場の影響を低減するためのビームラインの高度化の検討を進めている。そこで主要なウェイク源の一つである真空フランジに対して内部シールドを取付け、ウェイク場の低減効果の確認をすることにした。ビーム軌道の応答やビームサイズの変化を基に低減効果を定量的に評価した。本報告では、その低減効果に関する評価結果とウェイク場の影響を低減するためのビームラインの高度化に向けた作業の進捗と現状について述べる。