FRP086  ポスター③  8月2日 3Fホワイエ 10:00-12:00
一様磁場と自己電場により駆動される単粒子軌道の初速度に対する依存性
Initial velocity dependence of single particle trajectory driven by uniform magnetic field and self-electric field
 
○山本 英億(長岡技科大),朴 英樹(阿南高専),曾我 之泰(金沢大学),高橋 一匡,佐々木 徹,菊池 崇志(長岡技科大)
○Hideyasu Yamamoto (Nagaoka University of Technology), Youngsoo Park (NIT, Anan College), Yukihiro Soga (Kanazawa University), Kazumasa Takahashi, Toru Sasaki, Takashi Kikuchi (Nagaoka University of Technology)
 
重イオン慣性核融合などで必要とされる大電流ビームは、その空間電荷効果によって非線形な挙動を示し、質の劣化やハロー粒子の生成などを引き起こす。このため、Malmberg-Penning trapのように軸方向に一様な磁場をかけて電子を閉じ込めた非中性プラズマを用いて荷電粒子の挙動を検討することが行われている。荷電粒子は一様磁場の空間内で、粒子の速度にも磁場にも垂直な方向にローレンツ力を受け、ラーマー半径でサイクロトロン運動する。磁場に加えて電場が存在する空間内では、サイクロトロン運動しながら、案内中心が磁場に対して垂直に移動するドリフト運動が起こる。ラーマー半径は電場と磁場の強さだけでなく、荷電粒子の初速度によっても変化し、ラーマー半径が0となる条件が存在する。さらに、このラーマー半径が0となる初速度を基準として、粒子軌道の取りうる範囲が初速度によって分類できることを確認した 。円筒座標系でz軸方向の外部磁場と一様電荷による電場の場合、z軸方向に対して垂直な(r, θ)面で荷電粒子はサイクロトロン運動しながら一様電荷の中心の周り をドリフト運動する。このとき、ラーマー半径が0となる運動が起こる条件を解析的に導出し、数値解析で粒子軌道を確認した。また、その際の初速度の条件を基準として、初速度を変化させた場合の荷電粒子のサイクロトロン運動の取りうる軌道を比較して違いを調べた。