FRP080  ポスター③  8月2日 3F交流室A 10:00-12:00
SPring-8-II真空システムにおける圧力分布シミュレーション
Simulation of pressure distribution in SPring-8-II vacuum system
 
○上田 庸資,出羽 英紀,正木 満博,増田 剛正(JASRI),大石 真也,小路 正純(JASRI, 理研),鈴木 伸司(JASRI),高野 史郎,田村 和宏(JASRI, 理研),谷内 友希子(JASRI),渡部 貴宏(JASRI, 理研)
○Yosuke Ueda, Hideki Dewa, Mitsuhiro Masaki, Takemasa Masuda (JASRI), Masaya Oishi, Masazumi Shoji (JASRI, RIKEN), Shinji Suzuki (JASRI), Shiro Takano, Kazuhiro Tamura (JASRI, RIKEN), Yukiko Taniuchi (JASRI), Takahiro Watanabe (JASRI, RIKEN)
 
SPring-8-IIは大型放射光施設SPring-8の次世代アップグレード計画である。消費エネルギー削減を含む施設のグリーン化と最小エミッタンス50pmradという世界最高レベルの性能の同時達成を目指している。 SPring-8-IIの多極磁石は高い磁場勾配を省電力で得られるよう磁極間隔を狭めているため、新規製作する真空チェンバの口径は小さくなり、排気コンダクタンスも低下する。加えて多数の磁石を密に配置するため、光吸収体等の真空機器の配置に利用可能な空間も減少する。これらの条件を満たすように、SPring-8-II真空システムでは小口径のステンレス製チェンバ及び分散配置の小型光吸収体を採用し、かつ光刺激脱離ガスの主な放出源である光吸収体の近傍にNEGポンプを設置することで高効率の排気系の実現を検討している。さらに本計画では周長約1,435mの蓄積リング全体を約1年という短期間で更新する必要があるので、作業の効率化のために真空チェンバの現場ベークは行わず、プリベークと蓄積リングトンネル内へ据付後の粗排気、NEG活性化のみで真空立上げを実施する計画である。 これらを考慮した新規真空システムの設計を進めつつ、真空機器の材質、表面処理、並びに配置の最適化を目的としてSynRad及びMolFlowを用いたモンテカルロシミュレーションによるSPring-8-II真空システムにおける圧力分布計算を行った。本発表ではシミュレーション及びその検討結果について報告を行う。