FRP063  ポスター③  8月2日 3F研修室A 10:00-12:00
軸対称偏光レーザーを用いて発生するガンマ線の空間分布測定
Spatial distribution measurement of gamma rays generated by using an axially symmetric polarized laser
 
○平 義隆(分子研)
○Yoshitaka Taira (IMS)
 
分子科学研究所の放射光施設UVSORでは、エネルギー750 MeVの電子ビームと波長800 nmのTi:Saレーザーの逆トムソン散乱によって発生するガンマ線源の開発とユーザー利用を行っている。この手法によって発生するガンマ線は、MeV領域でエネルギー可変かつ準単色、高偏光、1 mrad以下の発散角といった優れた特徴をもつ。直線偏光や円偏光のレーザーを使う事で、直線偏光及び円偏光ガンマ線が発生する事は理論的にも実験的にも確認されている。これらレーザーは、ビーム断面で偏光の空間分布は一様である。これに対して、偏光分布が不均一なレーザーも発生する事ができる。具体的な例として、半径方向に偏光が分布しているラジアル偏光や方位角方向に分布しているアジマス偏光が挙げられる。これらは、光軸に対して偏光分布が対象であるために軸対称偏光レーザー、またはベクトルビームと呼ばれる。軸対称偏光レーザーは、空間変調波長板(s-waveplate)を用いて発生可能である。これまでに、軸対称偏光レーザーを用いて発生するガンマ線の空間分布を測定し、直線偏光および円偏光ガンマ線と異なる空間分布が測定された。本年会では、実験の詳細について発表する。