FRP062  ポスター③  8月2日 3F研修室A 10:00-12:00
ニュースバルLCSガンマ線源の高強度化に向けた研究
Research on Increasing the Intensity of NewSUBARU LCS Gamma Ray Source
 
○平川 悠人,橋本 智(兵庫県立大学高度研)
○Haruto Hirakawa, Satoshi Hashimoto (LASTI, Univ. of Hyogo)
 
ニュースバル放射光施設ビームラインBL01は世界でも数少ないユーザー利用可能なレーザーコンプトン散乱(LCS)ガンマ線施設である。LCSガンマ線は、エネルギー可変、高指向性、準単色性、偏光性など優れた特徴を持ち、幅広い応用研究に利用されている。発生するガンマ線のエネルギーは、電子エネルギー、レーザー波長、および入射・散乱角度で決まる。典型的なパラメータとして、可視光領域の入射レーザー(532nm)を蓄積リング内に周回する相対論的電子(1.0GeV)と正面衝突させ、約33MeVのガンマ線を発生する。ガンマ線の強度(光子数)は、電子ビーム電流やレーザー出力に比例し、また、電子ビームと入射レーザーのオーバーラップによって決まる。入射レーザーは光学レンズにより集光され、蓄積リング直線部にあるビームウエストで最小径となる。ガンマ線強度を最大化するためには、2つのビームを効率的に衝突させる必要があり、電子ビームと入射レーザーのウエスト位置を整合させることや、レーザー光軸と電子ビーム軌道の良好な一致が不可欠である。BL01では、入射レーザーは約12m伝搬した後、15mに及ぶ蓄積リング直線部で電子と衝突する。このためガンマ線強度向上には高精度の光軸アライメントが必要である。本発表では、入射レーザーのウエスト位置、またビーム軌道とレーザー光軸との間の位置や角度の偏差などによるガンマ線強度への影響を実験および数値計算により評価したので報告する。