FRP046  ポスター③  8月2日 2Fリハーサル室 10:00-12:00
X-band誘電体アシスト加速構造の研究
Reaserch of X-band dielectric assist accelerating structure
 
○佐藤 大輔(産総研),阿部 哲郎,松本 修二,高富 俊和,明本 光生,東 保男,肥後 寿泰(高エネ研)
○Daisuke Satoh (AIST), Tetsuo Abe, Shuji Matsumoto, Toshikazu Takatomi, Mitsuo Akemoto, Yasuo Higashi, Toshiyasu Higo (KEK)
 
誘電体アシスト加速構造(Dielectric Assist Accelerating (DAA) structure)は、低損失誘電体材料を用いた誘電体同軸構造と誘電体円盤を周期的に配置した内部構造を持ち、TM02nモードで動作する誘電体装荷型加速構造である。DAA構造は、加速構造内壁での導体損を大幅に低減できることが可能であり、その結果、通常の無酸素銅製常伝導加速管と比べてシャントインピーダンスが非常に高いという特徴を有している。一方、DAA構造は、マルチパクタやブレイクダウンによって達成可能な加速勾配が低いという大きな問題がある。これらの問題を解決するため、本研究ではXバンド定在波型DAA構造を開発し、その内部で発生する絶縁破壊現象の物理的理解に取り組んでいる。試験体としては、サファイアを用いた2セルからなるDAA構造を開発した。この加速構造の無負荷Q値は室温で60,000以上と測定され、シミュレーション結果とよく一致した。このDAA構造は、高エネルギー加速器研究機構(KEK)のXバンド大電力試験設備Nextef2を用いて試験を行う予定である。本会議では、XバンドDAA構造の開発状況と進捗状況について発表する。