FRP031  ポスター③  8月2日 2F交流ラウンジ 10:00-12:00
原子核実験におけるアンジュレータ放射光干渉法による電子ビームエネルギー測定
Undulator radiation interferometry for electron beam energy measurement in nuclear physics
 
○西 幸太郎(東京大学)
○Kotaro Nishi (the University of Tokypo)
 
我々はマインツマイクロトロン (MAMI) において崩壊パイ中間子法により軽いハイパー核の質 量分光を行っている 。ハイパー核の質量決定精度が数 keV程度の高分解能の分光法であるが、 スペクトロメータの較正精度(系統誤差)が100 keV程度と大きく実験全体の誤差を決定してい る。スペクトロメータの運動量較正に用いる電子ビームのエネルギー絶対値が系統誤差を生む主要因となっており、一桁高い精度で電子ビームエネルギー絶対値を測定することがハイパー核質量絶対値を決める上で非常に重要である。 この問題を解決するためにアンジュレータ放射光干渉法を開発した。電子ビームライン上の2台のアンジュレータから出る放射光の干渉光は、その位相差がアンジュレータ間距離に依存するため周期的に変化する。アンジュレータ間距離を変化させながらCMOS カメラで測定し、強度変化の周期から電子ビームエネルギー絶対値を決定できる。この手法で 200 MeV領域の電子ビー ムエネルギーを従来より一桁以上良い 3 keV の精度で測定できることを実証した。 本講演では、2024年3月に実施したビームタイムの結果および電子ビーム特性が測定結果に与える影響の解析結果を報告する。