FRP029  ポスター③  8月2日 2F交流ラウンジ 10:00-12:00
あいちSR電子蓄積リングにおけるビーム基準アライメント
Beam Based Alignment of Storage Ring at AichiSR
 
○藤本 將輝(名大, あいちSR),小澤 舜ノ介(名大),高嶋 圭史(名大, あいちSR)
○Masaki Fujimoto (Nagoya Univ., AichiSR), Shunnosuke Ozawa (Nagoya Univ.), Yoshifumi Takashima (Nagoya Univ., AichiSR)
 
あいちシンクロトロン光センター(あいちSR)は、周長72 mの1.2 GeV電子蓄積リングを有し、産業利用を中心に放射光の供用を行っている。2013年3月の運用開始からすでに10年が経過しており、加速器の経時的な位置変化の観測やCOD補正を目的として、蓄積ビーム基準によるビーム位置モニタ(BPM)のアライメントを実施した。あいちSR蓄積リングは、5 Tの超伝導偏向電磁石1台を含むTriple-bendの4回対称で構成される。各ユニットセルには4ペアの集束・発散四極電磁石が設置されており、四極電磁石にはBPMが固定されている。アライメント実験は、四極電磁石中でのビーム位置を変えながら、各電磁石の補正コイルを用いてビームキックを与えたときに軌道変化を最小とする磁場中心の座標をBPMで探った。蓄積リングには水平・鉛直ステアリング電磁石が各16台ずつしか設置されておらず、四極電磁石を挟むバンプ軌道を作ることができない。そこで、測定対象となる四極電磁石位置でベータトロン振動が波腹となるように、対称点にあるステアリング電磁石を用いてビーム位置を制御した。この測定を計32台の四極電磁石とBPMの組合せに対して実施し、蓄積リング一周にわたって水平・鉛直方向のアライメントを行った。稼働開始当初に測定された結果と比較したところ、水平方向に最大400ミクロンのずれが生じていることがわかった。本発表では、あいちSRにおけるビーム基準アライメント実験について報告する。