FRP025  ポスター③  8月2日 2F交流ラウンジ 10:00-12:00
KEK 電子入射器の運転統計の考察
Analysis of operational statistics at KEK injector linac
 
○古川 和朗,佐藤 政則,松本 修二(KEK),鈴木 和彦(三菱電機SC)
○Kazuro Furukawa, Masanori Satoh, Shuji Matsumoto (KEK), Kazuhiko Suzuki (MSC)
 
高エネルギー加速器研究機構 (KEK) の 7-GeV 電子陽電子入射器においては、年間約 5000 時間のビーム運転が行なわれており、2 つの放射光実験施設 (PF、PF-AR) と衝突型素粒子実験施設 (SuperKEKB) への電子と陽電子の入射を継続している。入射器がビーム入射運転を開始した 1982 年から現在までさまざまな改造を行いながら運転を継続しているが、これまでの実験プロジェクトの形態によって入射器の運転様式も大きく変化を重ね、運転統計情報にもさまざまな特徴が現れている。素粒子実験としては TRISTAN、KEKB、SuperKEKB の各実験プロジェクトに電子と陽電子を入射してきたが、実験ごとに要求される入射ビームの特性も大きく変わり、その対応のために各プロジェクトの初期には入射が停止するような障害が発生する場合もあったが、徐々に適切な対応が行われるようになり、円滑な運転が行われるようになる。高い性能を求める素粒子実験向けの入射ビームの開発が、徐々に放射光実験の入射にも活かされる場合も多い。これらの運転統計の情報を参考にしながら、実験ユーザーからの要求が大きく異なる素粒子物理実験と放射光科学実験の双方にバランスを考慮した入射運転最適化が期待されるところである。