FRP023  ポスター③  8月2日 2F交流ラウンジ 10:00-12:00
SuperKEKBでの突発ビームロス事象の観測と原因究明
Observation and cause investigation of sudden beam loss at SuperKEKB
 
○池田 仁美(高エネルギー加速器研究機構)
○Hitomi Ikeda (KEK)
 
SuperKEKBの最大の目的であるルミノシティー向上を目指す上で、最も大きな障害の一つとなっているのが突発ビームロス(Sudden Beam Loss、以下SBLと言う)である。SBLは1~3ターンという速さで突発的にバンチトレイン中のかなりの量のビームを失う現象で、コリメータ(および他の加速器コンポーネント)の損傷、QCSのクエンチ、Belle-II検出器への大きなバックグラウンドを引き起こす。また、SBLはビームアボートの原因となるため、大電流を蓄積する妨げとなる。そこで、SBLの原因を調査し解決することは我々の重要課題となっている。SBLが起きた時の情報を集めるために、リング内でビームロスの起きた順番を特定するためのロスモニターシステム、SBLが起こった瞬間のバンチ電流や軌道を記録するモニター、SBLの原因特定のための音響センサーなどを設置し、SBL事象の観測と原因究明に取り組んだ。この論文では、SBLの事例をあげ、原因究明及び、被害を最小限に押さえるための取り組みについて記述する。