FRP019  ポスター③  8月2日 1F大会議室 10:00-12:00
マルチイオン治療に用いる小型ECRISに有用な多価イオン強度増強法
Intensity enhancement of multiply charged ions for electron cyclotron resonance ion sources
 
○片桐 健,岩田 佳之,白井 敏之(QST千葉)
○Ken Katagiri, Yoshiyuki Iwata, Toshiyuki Shirai (QST)
 
QSTは,重粒子線がん治療における副作用の低減,治療期間の短縮,及びさらなる治療効果の向上のために,線量分布だけでなく線質分布の最適化を可能とするマルチイオン治療の実用化を進めている.次世代重粒子線がん治療装置である量子メスにてこのマルチイオン治療を実施するために,4種類のイオン(He, C, O, Ne)の生成とそれらの素早い切り替えが行えるイオン源(マルチイオン源)の開発を我々は進めてきた.このイオン源におけるO6+やNe7+等の多価イオンの生成量向上を狙って,我々はシンプルな外付けの装置により容易に多価イオン強度増強を実現する方法を開発した.この多価イオン強度増強法は,普及型施設で用いられる10-GHz ECRISにも利用可能であるため,今後マルチイオン供給を予定する施設には有用である.本発表では,この新たな多価イオン強度増強法の詳細を示す.