FRP016  ポスター③  8月2日 1F大会議室 10:00-12:00
稀少RIリングにおける共鳴型Schottky検出器の性能評価
Performance evaluation of resonant Schottky detector at Rare RI-Ring
 
○滝浦 一樹(埼玉大)
○Kazuki Takiura (Saitama Univ.)
 
理研RIBFには、短寿命不安定核の精密質量測定に特化した「稀少RIリング」が設置されており、2018年から今までに2つの中性子過剰領域(原子番号Z = 28, 46)で質量測定実験が行われた。稀少RIリングを使った質量測定における最終目標は、ミリ秒オーダーの短寿命を持ち生成断面積の小さい核種の質量を10の-6乗の高精度で決定することである。稀少RIリングは、等時性場の下で粒子を周回させる「Isochronous Mass Spectrometry (IMS) 法」を用いて質量を測定しており、等時性場の達成度は質量決定精度に直接影響する。この達成度を評価するために用いられているのが、本講演の主題である「共鳴型Schottky検出器」である。共鳴Schottky検出器は、周回粒子により励起される共鳴空洞内の電磁波をピックアップコイルで検出し、高速フーリエ変換することにより、周回周期の情報を非破壊的に得ることが出来る検出器である。稀少RIリングには既にこの検出器 (R3 Schottky) が導入されているが、今回R3 Schottkyより高い感度を目標に、新規のSchottky検出器を導入した。高感度化することで、Schottky検出器を用いた短寿命な不安定核の質量測定の実現も期待できる。本講演では、新規Schottky検出器について、設計、製作、オフライン試験、最終性能について発表する。また新規のSchottky検出器による将来の展望についても述べる。