FRP015  ポスター③  8月2日 1F大会議室 10:00-12:00
J-PARC主リングでのRFSoCベースのイントラバンチフィードバックの開発:設計と初期評価
Development of new RFSoC based intra-bunch transverse feedback system at J-PARC MR : Design and initial evaluation
 
○中村 剛,佐藤 健一郎,外山 毅,岡田 雅史,小林 愛音(高エネ研),山田 逸平,菖蒲田 義博(原子力機構)
○Takeshi Nakamura, Kenichirou Satou, Takeshi Toyama, Masashi Okada, Aine Kobayashi (KEK), Ippei Yamada, Yoshihiro Shobuda (JAEA)
 
J-PARC の主リング(3GeV-30GeV 陽子シンクロトロン)では、ビームの横方向不安定性を抑制するためにディジタルフィードバックを用いて毎秒100Mサンプルすなわち 10ns刻みでバンチを分割し、その各部に対して独立してフィードバック処理を行いベータトロン振動を抑制している。しかし予定されているビーム電流の増強に向けて、より強い、そしてより高い周波数の不安定性への備えが必要とされ、また、現状の装置はビームの加速に伴う周回周期の変化への対応が容易ではなく、入射および加速の初期のみへの適用となっているが、これを全加速範囲に広げる必要がある。そこで今回、新たに毎秒576Mサンプルを目標としたフィードバックの開発を開始した。このフィードバックでは、RFSoCすなわち、信号処理用のFPGA、位置情報を取得するADC、そして処理結果によりキッカー駆動するDACが1チップ化された素子を用いるためプログラミングは容易となっている反面、クロック周波数が固定のため、フィードバックに必須な周回周期との同期はFPGA内で1周期に対応するサンプリング数を周回周期に応じて定義しなおすことで対応している。また周回周期の変動はビームのキッカー通過タイミングの変動を生じるので、それを補正するキックの遅延調整も組み込んでいる。本報告では、このフィードバックの概念設計および開発の現状を報告する。