FRP012  ポスター③  8月2日 1F大会議室 10:00-12:00
ビームリサイクル用蓄積リングα-KSRのデザイン
Design of α-KSR for research and development of beam recycling technique
 
○小川原 亮,阿部 康志,大西 哲哉(理研仁科センター),塚田 暁,頓宮 拓(京大化研),山口 由高(理研仁科センター),若杉 昌徳(京大化研)
○Ryo Ogawara, Yasushi Abe, Tetsuya Ohnishi (RNC), Kyo Tsukada, Hiromu Tongu (ICR, Kyoto Univ.), Yoshitaka Yamaguchi (RNC), Masanori Wakasugi (ICR, Kyoto Univ.)
 
不安定核の核反応実験では一般的に固定標的に不安定核ビームを衝突させる。不安定核ビームは一般的に二次ビームであり、安定核ビームに比べ運動量分散が大きい。また、十分な統計量を得るために標的を厚くする必要があり、それも測定精度に制限をかける要因となっている。それらの問題を解決するために考案された技術がビームリサイクルであり、これは不安定核を重イオン蓄積リングに蓄積して核反応を起こすまで内部標的と衝突させ続ける技術である。ビームリサイクルでは内部標的通過に起因するエネルギー損失の補填や、エネルギー分散と角度分散の増大を補正する必要がある。これまでの研究ではビームリサイクルに必要な分散補正器等の性能を計算で明らかにしてきた。 ビームリサイクルのR&Dには蓄積リングが必要不可欠であり、本研究では京大化研の蓄積リングKSRを利用する。KSRは最大約10 MeV/uのα線を蓄積可能な磁気剛性である。α-KSRの設計ではα線の入射方法、リングパラメータ、分散補正器の要求性能が重要である。本研究では241Amから放出されるα線を用いた入射方法を検討し、既設のPerturbatorを利用することで入射可能であることを計算で示した。また、ビームリサイクルに必要なデバイスを既設装置と干渉せずに設置する必要がある。本研究では既設Latticeのままで上記の仕様を満たせることを計算で示し、α-KSRによるビームリサイクルR&Dが可能であることを明らかにした。