FRP011  ポスター③  8月2日 1F大会議室 10:00-12:00
ビームエネルギー位置モニターを用いたビームエネルギー幅の測定
Measurement of beam energy width using beam energy position monitor
 
○宮脇 信正,柏木 啓次,渡辺 茂樹,石岡 典子,倉島 俊(量研高崎研),福田 光宏(阪大RCNP)
○Nobumasa Miyawaki, Hirotsugu Kashiwagi, Shigeki Watanabe, Noriko Ishioka, Satoshi Kurashima (QST Takasaki), Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka Univ.)
 
QST高崎のTIARA AVFサイクロトロンでは、これまでビームエネルギー・位置モニター(BEPM)を用いたリアルタイム計測により、At-211の製造に使用するHeビームのエネルギーを1%以上の間で任意に変更することに成功した。このエネルギー制御は、サイクロトロンの磁極のバレー部に設置され、ビームの回転中心を変えるハーモニックコイルの磁場を制御して、取り出しまでの加速回数を変えることによって達成された。しかし、ビームの軌道を変えることで従来の加速RF位相と異なった加速により、一般的に0.1%以上とされているビームエネルギー幅がさらに増加することが懸念された。特に、At-211の製造では、Heビームのエネルギー幅の増加で、化学的に分離不能なAt-210が生成するエネルギーの閾値を超え、その壊変によって毒性の高いPo-210が生じる可能性がある。そのため、Heビームのエネルギーを制御した上でさらにエネルギー幅も知る必要がある。そこで、BEPMを用いてビームエネルギー幅の測定について検討を行った。サイクロトロンで加速されたビームはそのバンチ内の粒子間でシンクロトロン振動が起こらないため、取り出し後はバンチ長が伸びる。このバンチ長の伸びの差をBEPMの上流と下流の2つの電極の信号からで測定することでエネルギー幅の導出を試みた。発表では、この導出と測定結果について報告する。