FRP007  ポスター③  8月2日 1F大会議室 10:00-12:00
大強度負イオン加速に向けたペッパーポット型エミッタンスモニターの開発
Development of a pepper-pot emittance monitor for high-intensity negative ion acceleration
 
○細谷 弦生(東北大学RARIS)
○Genki Hosoya (Tohoku Univ. RARIS)
 
東北大学先端量子ビーム科学研究センターの930型AVFサイクロトロンでは、大強度の負重水素イオン加速に向けて研究を行っている。加速されたビームを用いて生成された中性子ビームは、原子核物理実験や医療用RI製造、核廃棄物の核変換などのあらゆる分野で利用される。加速ビームの目標値はエネルギー40MeV・電流値100μAであり、現在はエネルギー25MeV・電流値20μAの加速に成功している。大強度化に伴うビーム損失の大きな原因である空間電荷効果は、イオン源からサイクロトロンまでの入射系輸送時に強く働くため、この部分のビームの振る舞いを把握する必要がある。そこで、これまでビーム診断系が存在しなかった負イオン入射系に対して、ペッパーポット型エミッタンスモニター(PPEM)を負イオン源直後に導入した。PPEMは、画像1ショットから4次元位相空間分布を瞬時に求めることができるため、負イオン源の性能評価やビーム調整の効率化も可能であるとして採用した。今回、負イオン源から引き出される負重水素イオンビームのエミッタンスをPPEMを用いて測定する。これらの結果と今後の改善案について報告する。