FROT04  加速構造  8月2日 テルサホール 9:30-9:50
マイスナー効果に着目した微小磁場シールド
Faint magnetic field shielding using the Meissner effect
 
○岩下 芳久,栗山 靖敏(京都大学複合研),不破 康裕(J-PARCセンター)
○Yoshihisa Iwashita, Yasutoshi Kuriyama (KURNS), Yasuhiro Fuwa (J-PARC)
 
磁場は多くの物理研究で重要な位置を占め、多くの物理実験の測定項目では微少磁場の制御を必要とする。超伝導加速空胴は小電力で高電界発生が可能だが、素材のニオブは第II種超伝導体であり、超伝導転移時に周囲磁束を捕捉すると運転時の損失が増加するため微少磁気遮蔽が重要である。更なる省電力化を目指す際、微少磁気遮蔽の強化は必須である。そこで、極低温における微小磁場の効果的遮蔽が重要となってくる。従来、磁気遮蔽には高透磁率磁性素材が使われるが、極低温用の素材も極低温、微小磁場領域では透磁率が下がり、磁気遮蔽効果が薄れる傾向がある。また、機械的歪みを嫌うなど取り扱いが容易ではなく、高価である。そこで、完全反磁性となる超伝導体のマイスナー効果に着目して微少磁場の遮蔽効果の研究を始めている。 高感度のAMR(Anisotropic-Magneto-Resistive)型の3軸センサーを選出し、5個の3軸センサーを極低温下で駆動して、それらの信号を多重化により電源含め、8本のケーブルで室温側に持ってくることに成功している。極低温下でFluxGate計測器の出力と比較したところ、ほぼ同レベルの信号が得られることを確認した。これらの結果について報告する。