FROS01  企画セッション②  8月2日 テルサホール 13:00-14:00
放射光加速器のグリーン化 - SPring-8/SACLA加速器コンプレックスにおける取り組みと展望 -
A roadmap towards a "greener" facility of synchrotron light sources - Activities and prospect at SPring-8/SACLA accelerator complex -
 
○田中 均(理研)
○Hitoshi Tanaka (RIKEN)
 
近年、人間のあらゆる社会的活動において、温暖化ガス排出を抑制し持続的発展を可能とするシステムの変革が叫ばれ、推進されてきた。加速器施設においても、その社会的要求を無視することはできない。以前の性能至上主義では、もはや加速器の大規模アップグレードや新規の建設が難しい状況になってきた。このため、性能と共に省資源、省エネルギーを両立する加速器システムのグリーン化が急務になってきている。加速器は道具である。よって、その利用のされ方によってはグリーン化が非常に難しいケースもある。例えば、加速する1次粒子を直接使用する高エネルギー物理実験を目的とした加速器の場合、簡単には進まない。一方で、加速粒子を直接用いない、放射光光源のようなシステムであれば、グリーン化の余地はそれなりに残されている。本講演では、基本的な放射光発生の原理から、同様の光のスペクトル領域を消費電力を抑制しながら可能にする基本的な仕組みや、システムの合理化の可能性等の一般論を示し、具体的な事例として、理研の播磨キャンパスで進行中の放射光光源加速器コンプレックスのグリーン化への取り組みに関して概説する。