FROA09  光源加速器/加速器土木  8月2日 アプローズ 15:30-15:50
IFMIF原型加速器における冷却水システムの保守に関する現状と課題
Maintenance experience of the water-cooling system in the linear IFMIF prototype accelerator (LIPAc)
 
○熊谷 公紀,近藤 恵太郎,長谷川 和男(量研),ヤン カリン,ドミニク ヘックス,ダビデ クレイナー,フランチェスコ スカンタンビューロ(IFMIF/EVEDA Project Team),ファビオ シモンディ,エルベ ジッコ(F4E)
○Kohki Kumagai, Keitaro Kondo, Kazuo Hasegawa (QST), Carin Yann, Gex Dominique, Kleiner Davide, Scantamburlo Francesco (IFMIF/EVEDA Project Team), Cimondi Fabio, Dzitko Herve (F4E)
 
IFMIF/EVEDAプロジェクトの一環として、IFMIF原型加速器 (LIPAc) のビームコミッショニングが六ヶ所フュージョンエネルギー研究所で実施されている。LIPAc加速器では125 mAの重陽子ビームを連続波で9 MeVまで加速することを目指しており、これはビーム出力として1.125 MWに値する。LIPacは入射器、及びRFQ、SRF、ビーム輸送系、ビームダンプといったサブシステムで構築されている。LIPAcでは高出力のビーム生成のため水冷を多用しており、各サブシステムは専用の冷却水システムを有する。これらの冷却水システムは、キャビティ温度の制御や、機器(例えばスリット、ビームターゲット部)の熱負荷による損傷を防ぐために用いられる。冷却水システムの適切な保守管理は、サブシステム運転時の故障を予防し、LIPAc加速器の稼働率を向上するために重要である。LIPAc加速器ではこれまで冷却水システムについて様々な問題に直面してきた。それらは例えば、冷却水経路の腐食、目詰まり、水質の悪化、水漏れ、冷却能力の不足、であった。本発表では、これらの問題を解決するためにこれまでに実施された冷却水システムの改修・改良について紹介する。また、冷却水システムにおける問題の再発を未然に防ぐためにLIPAc加速器で行われている保守活動について報告する。冷却水システムの安定した運転は、LIPAc加速器におけるビーム運転の信頼性向上に貢献している。