FROA04  高周波源・LLRF  8月2日 アプローズ 9:30-9:50
マイクロ波源ジャイロトロン開発のためのCSTシミュレーション
Gyrotron development of microwave source in CST simulator
 
○金田 健一,宮澤 順一,後藤 拓也,中村 誠,田村 仁(株式会社Helical Fusion),山本 昌志(株式会社オメガソリューションズ),南 龍太郎,假家 強(筑波大学 プラズマ研究センター)
○Kenichi Kaneta, Junichi Miyazawa, Takuya Goto, Makoto Nakamura, Hitoshi Tamura (Helical Fusion Co. Ltd.), Masashi Yamamoto (Omega Solutions Co. Ltd.), Ryutaro Minami, Tsuyoshi Kariya (University of Tsukuba)
 
マイクロ波発生源としてジャイロトロンは開発されてきた。ジャイロトロンのメカニズムは電子銃からの電子ビームをカソードとアノード間電圧で加速させつつ、ソレノイド場でビームを収束させながら空洞共振器内で自励発振させることにある。開発プロセスは必要な電圧、ビーム電流、空洞共振器寸法、ソレノイド磁場強度を最適化することにある。古くは最適化条件を理論式や簡易2次元コードを用いて算出していたが、現在ではCSTを含む市販コード、専用コード等多くの3次元シミュレータが用いられている。さらに製作したジャイロトロンの発振試験を元にパフォーマンスの最適化を行っている。本研究では産学連携共同研究により筑波大学で設計を行ったヘリカル型核融合炉用ジャイロトロンの設計を元に発振までの過渡解析計算をCSTで実施している。CSTを用いることで、これまでは計算時間が長く不可能であった電子銃から電磁波の自励発振までの統合シミュレーションが可能になる。また近年の高速コンピューティングクラウドAWSを使ってシミュレーションの加速化を実施した。これまで計算時間が長いため検討が難しかった3次元形状でのシミュレーションによる開発体系を確立して、このシミュレーション結果をもとに実機の製作を進めていく。ジャイロトロンの産業利用としては核融合炉やロケットの推進力に用いることが検討されており、将来的に発展していく必要のある分野であると認識している。