WEP55  ポスター②  8月30日 14号館1444教室 13:30-15:30
次世代光源における過渡的電圧補償のための広帯域空洞低電力モデルHOM減衰性能の評価
The HOM attenuation tests of broadband-cavity low-power model to compensate the transient beam loading in the next generation light sources
 
○内藤 大地,山本 尚人,高橋 毅,山口 孝明,坂中 章悟(高エ研)
○Daichi Naito, Naoto Yamamoto, Tsuyoshi Takahashi, Takaaki Yamaguchi, Shogo Sakanaka (KEK)
 
第四世代リング型光源では、バンチ内電子散乱がビームエミッタンスに与える影響が大きいため、基本波の加速空洞と高調波空洞を組み合わせてバンチ伸長を行い、バンチ内電子散乱を抑制することが多い。しかしバンチギャップが誘起する過渡的ビーム負荷によって空洞内電圧の変動が生じると、バンチ伸長性能が不十分になる。そこで我々のグループでは、広帯域のキッカー空洞を用いて過渡的電圧変動を補償する手法を提案し[1]、そのために用いる広帯域キッカー空洞の具体的デザインも提唱した[2]。この補償空洞は、加速用TM010モード(周波数1.5 GHz)を2本のRF入力用導波管と大きな結合度で結合させることにより、約5 MHzの広帯域を実現する。加速以外の高次モードは、大口径のビームダクトに逃がし、RF吸収体で減衰させる設計である。2022年度にはアルミ製低電力モデルを製造し、補償用電圧を発生する為に用いるTM010モードの性能評価を行った。本発表では補償空洞に取り付けたRF吸収体による高次モードの減衰性能評価について報告する。