WEP49  ポスター②  8月30日 14号館1443教室 13:30-15:30
レーザープラズマ航跡場入射用極短パルス線形加速器の大電力高周波試験
High power rf test of a linac to inject ultlashort pulsed electron beams into laser plasma wakefields
 
○益田 伸一,増田 剛正(高輝度光科学研究センター),田中 俊成,境 武志(日大LEBRA),長瀬 敦(日大理工),熊谷 教孝,大竹 雄次(高輝度光科学研究センター)
○Shinichi Masuda, Takemasa Masuda (JASRI), Toshinari Tanaka, Takeshi Sakai (LEBRA, NU), Atsushi Nagase (CST, NU), Noritaka Kumagai, Yuji Otake (JASRI)
 
高強度極短パルスレーザー励起プラズマ波により電子を捕捉し加速するレーザー航跡場加速に基づく超小型電子加速器の実用化のための研究が進められている。我々は、プラズマ波に極短電子ビームを入射し、プラズマ波の加速特性を診断するための極短パルス線形加速器の開発を行っている。本稿は、これに使用するRF電子銃空洞やバンチャー加速管、導波管要素の大電力高周波試験について報告する。 大電力高周波試験は、SACLAの付帯設備である大電力高周波テストベンチを借用して行われた。空洞や導波管等の構成部品は、開発中の加速器の設計に基づき、50MWのクライストロン出力を方向性結合器によって分配し2MWを電子銃、18MWをバンチャー管に入力する様に配置した。高周波空洞のフィリングタイムなどから要求される高周波パルスの仕様は、幅が1µsで繰り返しが10ppsである。我々は、導波管方向性結合器で空洞の入射波と反射波をモニタし、空洞の温度-高周波特性を測定した。電子銃に関してはおよそ1ヶ月のRFコンディショニングの結果、入力2MW、幅2µs、10ppsの運転条件が達成された。バンチャー管はおよそ2ヶ月で、入力18MW、幅1µs、10ppsまでコンディショニングが進んだ。それぞれ最終的に8時間程度、高周波電力の入力が維持でき、要求される空洞の加速電場とその安定性が得られた。これによりレーザー航跡場追加速実験で要求される大電力運転条件が、十分に達成できることが実証された。