WEP32  ポスター②  8月30日 14号館1441教室 13:30-15:30
ナノテラス向けCバンド高周波パルス圧縮器の高周波性能
high-frequency performance of C-band high-frequency pulse compressor for NanoTerasu
 
○奥山 恒幸,相澤 修一(日本高周波(株)),安積 隆夫,西森 信行(量研),稲垣 隆宏(理研播磨)
○Tsuneyuki Okuyama, Shuichi Aizawa (Nihon Koshuha Co., Ltd.), Takao Asaka, Nobuyuki Nishimori (QST), Takahiro Inagaki (RIKEN SPring-8 Center)
 
次世代放射光施設ナノテラスの入射線形加速器では、Cバンドのディスクロード型加速器を40本使用し、電子ビームを3GeVまで加速する。加速管へ供給される大電力高周波は、出力50MWのパルスクライストロンにて生成され、高周波パルス圧縮器を使用して時間幅を圧縮しピーク強度を高めた後、2本の加速管に供給している。高周波パルス圧縮器は、2台の低損失空洞と3 dBハイブリッド結合器で構成される。必要なパルス幅(300 ns)と増倍率(4倍)、および設置スペースや製造コストを考慮し、空洞はTE0,1,20モードの円筒空洞とし、矩形導波管のH面と2つの結合穴で結合する方式とした。空洞の端面には周波数チューナーを設け、2台の空洞の共振周波数を精度よく合わせることでRFの反射を抑えることとした。このタイプの高周波パルス圧縮器は、最初に理研播磨のSACLAにて開発され、SACLAおよびNewSUBARU新入射器にて使用されている。ナノテラスでも、同様の高周波パルス圧縮器を20台製作した。2022年3月に高周波パルス圧縮器20台の製作が完了したので、高周波特性の測定結果を報告する。