WEOB12  加速器技術(レーザー)  8月30日 13号館1326教室 16:20-16:40
ニュースバルにおける時間同期系開発とフェムト秒パルスレーザーシーディング
Development of synchronization system and femtosecond pulsed laser seeding in NewSUBARU
 
○後長 葵,金島 圭佑,田中 義人(兵庫県立大学理学),貴田 祐一郎(高輝度光科学研究センター),橋本 智(兵庫県立大高度研),田中 隆次(理研放射光センター)
○Aoi Gocho, Keisuke Kaneshima, Yoshihito Tanaka (University of Hyogo, Science), Yuichiro Kida (JASRI), Satoshi Hashimoto (University of Hyogo,LASTI), Takashi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
我々は,放射光施設ニュースバルにおいて加速器ベース光源とフェムト秒パルスレーザーを組み合わせたコヒーレント光源開発を進めている.目的は,レーザーシーディング法を用いた単一サイクル自由電子レーザー発振を可能とする基本原理の実証である.この実証実験では,磁場強度分布可変型アンジュレータ [1] を 2 台設置し,上流側のアンジュレータ内でフェムト秒パルスレーザーと電子バンチを同軸方向に相互作用させた後,シケインを通過させることで不等間隔のマイクロバンチを形成させる.これを下流側のアンジュレータに導入して,コヒーレント光の時間構造制御を試みる.このようにレーザーシーディングを実現させるには,電子バンチとフェムト秒パルスレーザーの時間同期が欠かせない.パルス時間幅約 13 フェムト秒のチタンサファイアレーザーを実験ホールに導入し,その出力光を蓄積リング内の特定の電子バンチに同期できるシステムを開発した.また,その同期特性を,ストリークカメラや高速オシロスコープで評価し,蓄積リングのバンチ幅より十分高い精度で制御が達成されていることを確認した.以上により,レーザーシーディングによるコヒーレントパルス光の観測に成功した.発表では,電子バンチ-チタンサファイアレーザー間の時間同期方法と評価,および得られたコヒーレントパルス光の特性について報告する.[1] T. Tanaka et al., J. Synchrotron Rad., 28, 404-409 (2021)