WEOB11 加速器技術(レーザー) 8月30日 13号館1326教室 16:00-16:20 |
レーザー駆動重イオン加速のための誘導加熱による表面汚染の高速除去 |
Induction heating for desorption of surface contamination for high-repetition laser-driven heavy-ion acceleration |
○小島 完興,榊 泰直(量研関西研),宮武 立彦(九州大学大学院),ヂン タンフン,長谷川 登,石野 雅彦(量研関西研),黒木 宏芳,清水 祐輔,原田 寿典,井上 典弘(日立造船株式会社),錦野 将元,神門 正城(量研関西研),白井 敏之(量研放医研),近藤 公伯(量研関西研) |
○Sadaoki Kojima, Hironao Sakaki (KPSI, QST), Tatsuhiko Miyatake (Kyushu Univ.), Thanh Hung Dinh, Noboru Hasegawa, Masahiko Ishino (KPSI, QST), Hiroyoshi Kuroki, Yusuke Shimizu, Hisanori Harada, Norihiro Inoue (Hitz), Masaharu Nishikino, Masaki Kando (KPSI, QST), Toshiyuki Shirai (NIRS, QST), Kiminori Kondo (KPSI, QST) |
レーザー駆動イオン加速では,高強度レーザーパルスを薄膜ターゲットに照射することにより,ターゲットの裏面に局所的なシース電場を発生させ,イオンを加速する.この際,電荷質量比が大きいイオン種が優先的に加速されるが,通常の薄膜ターゲット表面には汚染層があるため,そこに含まれる水素に由来する陽子が加速され,加速場のエネルギーを炭素イオンの加速に効率的に利用できない.この状況を解決するためには,質量電荷比が大きい陽子が加速されないよう,ターゲット中から水素を除去する必要がある.ターゲットはニッケルとダイヤモンド様炭素 (DLC) の 2 層から構成され,製造時には水素が内在しないように注意深く作られるが,大気中に露出されることで表面にわずかな水蒸気や炭化水素などを吸着し,表面汚染層が形成される.この層は,CH2 や H2O などの分子が表面に化学吸着されることで構成されており,これらを除去するには約 100kJ/mol のエネルギーが必要である.本研究では,日立造船株式会社との共同研究において,誘導加熱を利用した表面汚染層の新しい除去装置を開発した.本発表では装置の設計および,装置を用いたレーザー駆動イオン加速実験の結果について報告する. |