WEOA10  加速器技術(加速構造)  8月30日 13号館1325教室 15:40-16:00
RANSⅢ用500 MHzRFQ線形加速器のビーム加速試験
Preliminary beam acceleration test of 500 MHz-RFQ linac for compact neutron source RANSⅢ
 
○池田 翔太,大竹 淑恵,小林 知洋(理研 中性子チーム),林崎 規託(東工大 )
○Shota Ikeda, Yoshie Otake, Tomohiro Kobayashi (RIKEN NBTT), Noriyusu Hayashizaki (Titech)
 
理化学研究所では、中性子計測技術を用いた大型構造物のインフラ予防保全手法の導入に向け、可搬型小型中性子源システムRANS-Ⅲの開発をおこなっている。RANS-Ⅲは線形加速器で2.49 MeVまで加速した陽子ビームをリチウムターゲットに照射することで発生した中性子ビームによりインフラ構造物の非破壊検査をおこなう。また、RANS-Ⅲでは車載による橋梁等での現場利用を想定していることから、小型・軽量化を目指した3体構造500MHzRFQ線形加速器を東京工業大学と共同で開発した。RFQ線形加速器は共振周波数が高くなるほど加速空洞の内径が小さくなる関係から、3体構造500MHzRFQ線形加速器はRANS-Ⅱ用RFQ(200MHzRFQ)に比べて加速空洞の内径を約1/2、重量を約1/3(0.7 t)まで軽量化に成功している。現在は、開発した500 MHz RFQ線形加速器に4系統高周波システム、永久磁石型2.45GHzECRイオン源、低エネルギービーム輸送ライン(LEBT:ダブルアインツェルレンズ)、高エネルギービーム輸送ライン(HEBT:ダブレット四重極電磁石+90度偏向電磁石)を接続し、ビーム加速試験を開始、LEBTのビーム集束条件や高周波電力に対するRFQ線形加速器から出射する陽子ビームのビーム電流量を測定することで、RFQ線形加速器のビーム加速特性を評価した。 本発表では、ビーム加速試験に向けて構築した加速器システムと、ビーム加速試験の結果、今後の開発目標について報告する。