WEOA1  光源加速器  8月30日 13号館1325教室 9:00-9:20
ゲルマニウム厚板における中赤外自由電子レーザの自己圧縮
Self compression of mid-infrared free electron laser in thick Germanium plate
 
○全 炳俊,大垣 英明(京大エネ研),羽島 良一(量研)
○Heishun Zen, Hideaki Ohgaki (IAE, Kyoto Univ.), Ryoichi Hajima (QST)
 
京都大学中赤外自由電子レーザ(KU-FEL)では希ガス中での高次高調波発生によるアト秒X線発生を目指して、共振器型自由電子レーザを用いた極短パルス大強度中赤外レーザの実現に挑戦している。これまでにパルス幅5サイクルを下回るdown chirpした超短パルス発生に成功しており、これをパルス圧縮により更に圧縮すべく、正の群速度分散を有するゲルマニウム製厚板(厚さ5, 30, 60mm)を挿入した。その結果、厚さ30mmのゲルマニウム厚板を挿入した際にFELのビーム半径が8.6mmと大きいにも関わらず、チャープ補償のみならず、非線形効果によるスペクトルの広帯域化が生じ、チャープ補償のみの場合に比べて短いパルス長が得られている事が判明した。スペクトルの広帯域化とパルス圧縮が同時に生じる現象は自己圧縮(self-compression)と呼ばれている。本研究は文部科学省の光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP、JPMXS0118070271)によるものである。