TUPP02 学会賞受賞講演 8月29日 13号館1325/1326教室 18:20-18:40 |
J-PARC ミュオンg−2/EDM精密測定実験に向けたミュオン線形加速器の開発 |
Development of a muon linac for the J-PARC muon g−2/EDM experiment |
○中沢 雄河(理研仁科センター) |
○Yuga Nakazawa (RIKEN Nishina Center) |
ミュオン異常磁気能率(g-2)は、標準理論による予測値と実測値に4.2標準偏差の乖離があり、未知の粒子などの新物理の兆候である可能性を示唆している。一方で、実測値は米国ブルックヘブン国立研究所及びフェルミ国立加速器研究所による同一の測定手法によるものしかなく、従来とは異なる測定手法で検証する意義は大きい。大強度陽子加速器施設J-PARCでは,ミュオンの冷却及び加速技術によって前例のない低エミッタンスミュオンビームを実現し,従来の手法では避けられないミュオンビーム由来の不定性を排除した新しいミュオンg-2測定実験を計画している。本発表では、実験の中核技術の一つであるミュオン高周波線形加速器の開発として、(1) RFQ (radio frequency quadropole) linacによるミュオン加速実証試験及びビーム診断系のコミッショニング、(2) RFQ下流に接続されるIH-DTL (interdigital H-mode drift tube linac)の設計・製作、低出力・高出力試験の結果について述べる。 |