TUPP01 学会賞受賞講演 8月29日 13号館1325/1326教室 18:00-18:20 |
大電流パルスビーム陽子線形加速器のビーム負荷補償システムの研究開発 |
Development of a beam loading compensation system for a high current pulsed beam proton linear accelerator |
○二ツ川 健太,Ersin Cicek,方 志高,福井 佑治,溝端 仁志(高エネルギー加速器研究機構),佐藤 福克(NAT),篠崎 信一(日本原子力研究開発機構) |
○Kenta Futatsukawa, Cicek Ersin, Zhigao Fang, Yuji Fukui, Satoshi Mizobata (KEK), Yoshikatsu Sato (NAT), Shinichi Shinozaki (JAEA) |
J-PARCリニアックなどの大電流のパルスビームを持つ加速器において、低電力高周波制御システム内のビーム負荷補償の機能は、ビーム負荷が存在する場合でも空洞内の加速電界の高い均一性を確保して、出射ビームの運動量をパルス内で単色化するために重要な役割を果たす。一方で、実際には大電力高周波機器やビームの状態の変動があり、ビーム負荷補償のための最適パラメータは常時に変動している。そこで、空洞を含む高周波系を実測した応答関数を基にしたモデル化を行い、周波数領域で最適パラメータを計算する適応型のビーム負荷補償システムを開発した。2~3回程度の計算で空洞電界は最適値に収束し、反復試行による誤差の蓄積はなく計算の試行回数を増やしても発散することはない。しかし、J-PARCリニアックのパルスビームは中間パルスと呼ばれる櫛型の構造を持っているが、上記の適応型のビーム負荷補償システムではFPGA内の設定配列の要素数の制約により対応することができない。そこで、外部から中間パルスと同じ構造の信号に基づいた制御を導入することで、中間パルス構造にも対応する方法を開発した。この手法では、中間パルスの一部を間引くビーム試験時のビーム負荷にも適応することができることを実証した。 本講演では、これらの開発したビーム負荷補償システムの紹介をする予定である。 |