TUP37 ポスター① 8月29日 14号館1442教室 13:30-15:30 |
高デューティLaB6フィラメントイオン源の暴走と対策 |
High-duty factor operation of the LaB6 filament ion source |
○柴田 崇統,杉村 高志,高木 昭,池上 清,栗原 俊一,發知 英明,内藤 富士雄(KEK) |
○Takanori Shibata, Takashi Sugimura, Akira Takagi, Kiyoshi Ikegami, Toshikazu Kurihara, Hideaki Hotchi, Fujio Naito (KEK) |
六ホウ化ランタン(LaB6)フィラメントによるアーク放電を利用し、5%のデューティ(繰返し周波数100 Hz/パルス幅500μs)で、60 mAの陽子ビームを出力可能なイオン源システムを開発状況を報告する。フィラメントアーク型のイオン源は、フィラメント寿命による制限があるものの、他のイオン源放電形式と比較して、プラズマ点灯が容易かつ出力ビーム電流波形が安定している。そのため、加速器装置の急停止や出力ビーム変動のリスクがある医療機器や照射施設等では、上記の放電形式に利点がある。一方、LaB6を使用したフィラメント寿命については、KEK-PSやJ-PARC用イオン源で数1,000時間の連続運転実績がある。最近では、安定長寿命に加え、高い陽子ビーム電流出力が可能なイオン源の需要が増えている。ビーム出力向上には、イオン源が取り付けられる加速器装置全体の要求を満たすような対応を取る。例えば、リニアック加速空洞におけるピーク電流の制限がある場合、デューティ(繰返し周波数またはパルス幅)を増加させることで、平均ビーム電流を増加させることが可能である。この場合、アーク放電電流・電圧のflat-topを安定に維持するための電源回路設計も重要である。本報告では、LaB6フィラメントの熱暴走制御を意図したアーク電源およびイオン源本体の開発状況と主要な運転パラメータを示す。 |