TUP29  ポスター①  8月29日 14号館1441教室 13:30-15:30
改良型スロー排気システムの開発
Development of modified slow pumping system
 
○阪井 寛志,梅森 健成,加古 永治,片山 領(KEK),山田 浩気((株)NAT),岡田 昭和((株)ケーバック)
○Hiroshi Sakai, Kensei Umemori, Eiji Kako, Ryo Katayama (KEK), Hiroki Yamada (NAT), Terukazu Okada (K-VAC)
 
超伝導空洞を用いた加速器組み立てにおいて、近年ゴミ混入によるfield emission抑制のために、スロー排気システムを開発した。KEKでは、これを用い、STF用の9セル空洞のクライオモジュール組立作業に用い、真空排気のスピードを遅くすることで、排気中のゴミの舞い上げを抑制し、ゴミ混入を防ぐことで、field emissionを抑制した高勾配加速を実現した。一方、作成したスロー排気システムは、従来の空洞測定を行う縦測定にまだ用いてはいない。縦測定前のクリーンルームでの組立作業では、超純水による高圧洗浄を行うのが一般的であり、この時、空洞内には多くの水が溜まる。水乾燥のために、クリーンルーム内で一晩空洞を乾燥させるものの、それでも空洞内にある程度水分が残る。そのため、クリーンルーム中の空洞組み立て時には、スロー排気を制御するマスフローメータに、氷結した水が詰まり、排気が停止する可能性がある。そこで、空洞内に水が存在する場合でも、スロー排気が行えるように、本スロー排気システムを改良した。本発表では、KEKに設置された改良型スロー排気システムの概要と、それを用いた高圧洗浄後の1.3 GHzのTESLA型9セル超伝導空洞のスローポンプによる真空排気の様子及び、真空パーティクルモニターによるスロー排気中の、高圧洗浄後の微粒子の動きの測定結果を紹介する。