TUP26  ポスター①  8月29日 14号館1432教室 13:30-15:30
小型X線源のためのレーザー加速電子を入射器に用いる電子蓄積リングの設計開発
Development of an electron storage ring with LPA injector for a compact X-ray source
 
○設楽 弘之(金属技研(株)),神門 正城,中新 信彦(量研 関西研)
○Hiroyuki Shidara (Metal Technology Co., Ltd.), Masaki Kando, Nobuhiko Nakanii (QST (KPSI))
 
レーザープラズマ加速機構(Laser Plasma Acceleration, LPA)を入射器とする小型電子蓄積リング、そして出射電子ビームを逆コンプトン散乱によりX線を生じさせる構成とすることで、既存のX線源に比べ格段に小型化できる装置の開発を進めている。昨年度末より開発に着手しており、実現化に向け概念設計、基本設計、部分的性能試験、詳細設計を行う。目標とするX線エネルギーは100 keV、1 MeV、10 MeVの3種類とし各エネルギーに合わせた装置の開発を行うが、まずは100 keVの装置の設計を進めている。本開発の特徴は、LPAと電子蓄積リングを組み合わせた構成により、LPAによる小型化と蓄積リングでの安定化にある。最初の段階として、現状認識を行い、差別化、独自性を明らかにするため、設計思想は異なるものの開発先行するKIT(カールスルーエ工科大学/ ドイツ)の電子蓄積リング(VLA-cSR)の構成について検討を行った。本開発においては、例えば、バンチ長 > 10 mm(x 10^2:KIT比)、運動量アクセプタンス >±15 %(x 2:KIT比)、電流値 > 15 mA(x 10:KIT比)を目指している。発表においては、進捗として幾つかの具体的な構造案、シミュレーションにより得られたパラメータ群、今後の計画などについて報告する。