TUP21 ポスター① 8月29日 14号館1431教室 13:30-15:30 |
J-PARC MR 1.3MW化計画のための光学測定によるリング全周の誤差四極磁場評価 |
Evaluation of quadrupole error fields around the ring by optics measurement for J-PARC MR 1.3 MW upgrade plan |
○浅見 高史(東大、KEK),五十嵐 進,佐藤 洋一,發知 英明,安居 孝晃(KEK),小関 忠(東大、KEK) |
○Takashi Asami (The University of Tokyo, KEK), Susumu Igarashi, Yoichi Sato, Hideaki Hotchi, Takaaki Yasui (KEK), Tadashi Koseki (The University of Tokyo, KEK) |
大強度陽子シンクロトロンJ-PARC主リング(MR)では、運転サイクルの高繰り返し化と陽子数の増加によりビーム強度を従来の515kWから1.3 MWへアップグレードする計画が進行中である。MRでは2022年7月までに大規模なハードウェアアップグレードが行われ、繰り返し周期が従来の2.48秒から1.36秒へ短縮された。2023年4月には760 kW運転のデモンストレーションに成功している。1.3 MW化に向けたビーム調整では誤差四極磁場の影響を正しく評価する事が一層重要になる。特に考慮すべき誤差要因として高繰り返し化により増加する真空ダクト壁上渦電流の影響が挙げられる。実際、1.36秒繰り返し下ではダクトの形状や材質に応じ、主四極成分に対して最大1.5%程度の誤差四極磁場を与える事が3次元磁場解析により示されている。渦電流影響は繰り返し周期の短縮に伴い増加し、MRの将来的なビーム強度を制限する要因になりうる。また、ハードウェアアップグレードでは一部の主四極電磁石電源ファミリーが分割された。その結果強化されたベータトロン共鳴は入射待受け・加速中のビームロスに多大な影響を与え、これまでのビーム調整ではその補正により大幅なロス抑制に成功している。本研究では、中心軌道応答を用いた光学測定を行うことで、MRの216台の四極電磁石それぞれに対する誤差四極磁場の強さと時間依存性を正確に評価する手法の確立を目指した。本稿ではビームを用いた検証について述べる。 |