THP55  ポスター③  8月31日 14号館1444教室 13:30-15:30
SuperKEKB 常伝導加速空洞区間で用いるSiC-HOMダクトの性能評価
Performance evaluation of SiC-HOM duct for the section of the ARES cavities in SuperKEKB
 
○榎本 瞬,竹内 保直,阿部 哲郎,小笠原 舜斗,影山 達也,坂井 浩,吉野 一男(KEK)
○Shun Enomoto, Yasunao Takeuchi, Tetsuo Abe, Shunto Ogasawara, Tatsuya Kageyama, Hiroshi Sakai, Kazuo Yoshino (KEK)
 
高エネルギー加速器研究機構(KEK)のSuperKEKB加速器では、高ルミノシティを目指し、ビーム電流を徐々に上げながら運転が行われている。これまでのランではLERで約1.3 A、HERで約1.1 Aのビーム電流まで到達した。 SiC-HOMダクトは、常伝導加速空洞(ARES)からのHigh-order-modes(HOM)をRF区間で閉じる目的で、空洞が設置されている直線区間の上下流に1台ずつ設置されている(SiC-HOMダクトの長さ255 mm、内径150 mm、SiC厚さ10 mm)。 SiC-HOMダクトは現在に至るまで大きなトラブルもなく順調に稼働しているが、ビーム電流の最終設計値はKEKB加速器の2倍にあたるLER 3.6 A、HER 2.6 Aであり、ビーム電流の増加に伴い、耐久性などが今後の懸念事項になる。特に熱吸収量に関しては高電流を想定した精密測定は行われていない。 本発表では、これまでのラン中に行ったSiC-HOMダクトの熱吸収量の測定から、最終設計値で想定される熱吸収量について定量的に示すとともに、見積もったHOMパワーをもとに、L-bandクライストロン(1.249 GHz)を用いて行ったハイパワー試験、HOMダクトの熱吸収量の測定結果について報告を行う。また、ハイパワー試験では、赤外線カメラを用いたSiCの表面温度の測定、音響センサーによる音響信号の測定も行ったので、各々の結果についても報告を行う。