THP27  ポスター③  8月31日 14号館1432教室 13:30-15:30
EUV-FELへの超伝導アンジュレータの導入可能性の検討
Investigation of the possibility of introducing superconducting undulators to EUV-FEL
 
○加藤 龍好,土屋 公央,本田 洋介,谷川 貴紀(高エネ研)
○Ryukou Kato, Kimichika Tsuchiya, Yosuke Honda, Takanori Tanikawa (KEK)
 
KEKでは近い将来に先端半導体露光で必要とされる強力なEUV光源としてERL技術を用いた高平均出力のFEL(EUV-FEL)を提案している。EUV-FELのプロトタイプ機は波長13.5nmで10kW以上の出力を有し、EUV-FEL一台で10台の各露光機に1kWのEUV光を供給することを想定している。このEUV-FELは偏光制御や露光機1台当たりの光源の建設維持コスト・消費電力だけでなく、次世代半導体露光として検討されている波長6.7nmのBeyond EUVへの拡張性など多くの利点を有している。他方、全長200mにおよぶ装置サイズが装置導入の足かせになると懸念されており、EUV-FELの実機ではよりコンパクトなサイズに収まることが求められている。コンパクト化を図る手法の一つとして、EUV-FELへの超伝導アンジュレータ(SCU)の導入が考えられる。日本国内ではこれまでSCU開発の実績がないが、海外ではすでにいくつかの研究機関で開発が進められている。特に米国APSでは2015年にAPSリングにNbTi線材を用いたSCU1号機をインストールしたのをはじめとして、すでに3台のSCUが設置・運用されている。ここでは、現在EUV-FELプロトタイプで想定している可変偏光アンジュレータの代わりとしてSCUを導入した場合の電子ビームエネルギー、FEL出力や飽和に必要とされるアンジュレータ長について報告する。