THP22  ポスター③  8月31日 14号館1432教室 13:30-15:30
QST量医研静電加速器施設(PASTA&SPICE)の現状報告
Progress report of QST-Chiba electrostatic accelerator facility (PASTA & SPICE)
 
○石川 剛弘,須田 充,及川 将一(量研機構 量医研 )
○Takahiro Ishikawa, Mitsuru Suda, Masakazu Oikawa (Institute for Quantum Medical Science, QST)
 
量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所(QST量医研)の静電加速器棟では、1999年に最大ターミナル電圧は1.7 MVのタンデム加速器(High Voltage Engineering Europe社製Tandetron Model 4117MC)へ更新した。2000年からマシンタイムの提供を開始し、陽子線を試料に照射し元素の分析を行うPIXE(Particle Induced X-ray Emission)分析を行っている。PASTA(PIXE Analysis System and Tandem Accelerator)の愛称で様々な分野の研究者に利用されてきた。 PIXE分析においては、マイクロビームを用いたマイクロPIXE分析の利用がほとんどである。マイクロPIXEは、陽子線を電磁場で集束してマイクロビームを形成し、そのマイクロビームを走査することにより、1μm以下の高分解能で二次元元素マップを取得可能である。極小な試料や少ない試料も高感度で測定できる利点を持っている。 また、2003年3月にマイクロPIXE分析装置のビーム集束技術を応用した、SPICE(Single Particle Irradiation system to Cells)の増設を行い、細胞を陽子1個から狙い撃ちできるため、低線量放射線生物影響研究に使用されている。 2004年3月には、PASTA & SPICEの産学への利用促進のため、「共用施設・設備」に指定された。更に幅広い分野からの分析依頼が予測され、常に各装置の高度化や技術開発を行っている。 本発表では、QST量医研静電加速器棟のPIXE/PIGE分析装置の概要及び現状について報告する。