THP14 ポスター③ 8月31日 14号館1431教室 13:30-15:30 |
J-PARC MR 8GeV運転時における主電磁石への磁場ヒステリシス影響 |
Effect of magnetic hysteresis on the main magnet when operated at 8 GeV in J-PARC MR |
○三浦 一喜,下川 哲司,森田 裕一,吉井 正人(高エネ研),吉成 柾(株式会社NAT),冨澤 正人,武藤 亮太郎(高エネ研) |
○Kazuki Miura, Tetsushi Shimogawa, Yuichi Morita, Masahito Yoshii (KEK), Masaki Yoshinari (NAT), Masahito Tomizawa, Ryotaro Muto (KEK) |
J-PARC主リング(MR)は、速い取り出し(FX)運転および遅い取り出し(SX)運転の2種類の運転モードを切り替えてビームの取り出しを行う円形加速器であり、FX運転、SX運転いずれも加速エネルギー30 GeVでの取り出しを通常行っているが、現在進行中のCOMET計画ではSX運転で8 GeVでのビーム取り出しが求められている。2023年1月~2月に行われた8 GeVビーム試験では、無事に8 GeVのビームがハドロン実験施設に取り出されたが、そのビーム試験中に行われた半日程度の機器停止を伴うメンテナンスの前後でビームの状態が再現しない事象が確認された。この事象に対して各機器のパラメータ等の設定確認が行われたものの、メンテナンス前の状態と同設定であることが確認されたことから、主電磁石の磁場ヒステリシスの影響が指摘され、メンテナンス前と同じく主電磁石で30 GeVパターン通電後に8 GeVパターン通電を行ったところ、メンテナンス前のビーム状態を再現し、8 GeVビーム試験は継続された。 このことから、主電磁石に残っている前回通電時のヒステリシス影響によって磁場が変わることが想定されたため、ビーム試験終了後に主電磁石の磁場測定を行い、運転パターンによる磁場へのヒステリシス影響を確認した。本報告ではその確認結果および次回の8 GeVビーム試験に向けた検討結果を紹介する。 |