THP05 ポスター③ 8月31日 14号館1421教室 13:30-15:30 |
At-211 製造のためのビームエネルギー制御におけるサイクロトロンのパラメータの影響 |
Effect of cyclotron parameters on beam energy control for At-211 production |
○宮脇 信正,渡辺 茂樹,柏木 啓次,石岡 典子,倉島 俊(量研高崎研),福田 光宏(阪大RCNP) |
○Nobumasa Miyawaki, Shigeki Watanabe, Hirotsugu Kashiwagi, Noriko Ishioka, Satoshi Kurashima (QST Takasaki), Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka Univ.) |
アルファ線核医学治療で用いるAt-211の製造では、Bi-209にHeビームを照射することで生じる(α, 2n) 反応が利用される。この核反応でのAt-211の生成率は、加速したHeビームのエネルギー増加に伴い上昇するが、約29MeV以上では、(α, 3n) 反応により高毒性のPo-210へと壊変するAt-210が生成し、これがAt-211と化学分離不可であることから、At-210の生成を避けるエネルギーでの照射が不可欠である。そこで、QST高崎AVFサイクロトロンでは、RI製造ビームラインおけるAt211の高率生成とAt-210の不生成を両立するため、ビームエネルギーの高精度制御技術を開発してきた。この結果、サイクロトロンの加速電圧や磁場を用いて約1%の範囲で任意に制御する技術を開発し、At-211の生成率を向上させることに成功している。しかし、ビームエネルギー変化に伴ってサイクロトロンからの出射ビーム軌道が変化することが確認され、軌道調整が必要となった。このエネルギー制御時の軌道補正を簡便に行うためには、軌道調整パラメータとビーム軌道変化の相関を明らかすることが必要である。そこで今回、サイクロトロンのパラメータの変更によるビーム挙動を解析し、取出されたビームエネルギーとの関係について調べた。発表では、ビームエネルギー制御に最適なパラメータの選択やそのパラメータで生じるビームの挙動とビームエネルギーの関係について報告する。 |