THOB15 加速器技術(電磁石と電源) 8月31日 13号館1326教室 17:30-17:50 |
g-2/EDM 精密計測用ミューオン蓄積磁石内配置の弱収束磁場コイルの設計 |
Design of weak focus field coil to stabilize muon orbits and for precision measurements of g-2/EDM in the superconducting muon storage magnet |
○阿部 充志,佐々木 憲一,三部 勉,中山 久義(髙エネルギー加速器研究機構),飯沼 裕美(茨城大学),山中 隆志(九州大学) |
○Mitsushi Abe, Ken-ichi Sasaki, Tsutomu Mibe, Hisayoshi Nakayama (KEK), Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Takashi Yamanaka (Kyushu Univ.) |
ミューオンの磁気・電気モーメント(g-2/EDM)高精度測定に用いる磁石は、ミューオンを周回・蓄積するシリンダー状の領域(断面3cm幅、10cm高で直径66.6cm)に、高磁場(3.0T)で超高均一磁場(磁場振幅±0.1ppm、均一度0.2ppm)を持つ。上部より螺旋入射したmuonは、キッカーの半径方向磁場により、赤道面付近で軸方向移動を止められる。そして、弱収束磁場(WFF: Weak Focus Field)により周回軌道を安定に保つ。WFFにおいても、各位置で±0.1ppm以内の精度が必要なため、MRI磁石設計用に開発し、本実験のmuon蓄積磁石の設計にも応用した特異値分解利用のコイル設計手法を適用した。精度良いWFFに必要なコイル数の検討は既に報告した(2022年秋・物理学会@岡山理大)が、今回は超伝導線の巻き数を具体化して、配置位置を最適化した。位置精度を高めるために主コイルの支持構造を利用するが、磁気結合が無視できないため、WFF調整時には主コイルの電流も調整し、BZ-typeシムコイルも用いて磁場強度の微調整を行う。実機磁場では組み立て誤差などによる誤差磁場も予想されるので、WFF調整後にはシミングも行うことになる。以上のようなWFFコイルを設計した。 |