THOA11 加速器技術(加速器制御)/加速器応用・産業利用 8月31日 13号館1325教室 16:00-16:20 |
レーザープラズマ航跡場入射用極短パルス線型加速器トリガーシステムの開発 |
Development of a trigger system for a linac to inject ultrashort pulsed electron beams into laser plasma wakefields |
○増田 剛正,益田 伸一,熊谷 教孝,大竹 雄次(高輝度光科学研究センター) |
○Takemasa Masuda, Shinichi Masuda, Noritaka Kumagai, Yuji Otake (JASRI) |
我々は、10fs(rms)以下の極短パルス電子ビームを生成し、後段のレーザープラズマ航跡場に追加速入射するための線型加速器の開発を進めている。加速高周波やレーザー、ビームモニター等の機器の繰り返し周期と起動タイミングを決めるトリガーシステムは、キャピラリーに入射する電子ビームの安定度やモニターの精度を決める重要な要素となる。上記10fsは加速高周波が決めるためその安定度が要求されるが、多くの加速器機器は数十psの起動タイミングの安定度があれば十分である。マスタートリガーユニット(MTU)は、既に開発済みのマスターオシレータ(MOSC)から供給されるレーザーモードロック用79.3MHz信号と商用電源60Hzに2重同期した、0.1Hz〜60Hz周期、2〜10µs幅のトリガーパルスを出力する独立したユニットとして新規に開発を行なった。MTUで生成した低ジッター(~3ps (rms))のトリガーパルスは、RF over White Rabbit(RFoWR)技術によりWR ネットワーク経由で伝送する予定である。MOSCからの79.3MHz信号とMTUからのトリガーパルスの入力信号をもとに、伝送先において79.3MHz信号と適切な遅延量を加えたトリガーパルスを再生成する。Preliminaryな結果として10ps(rms)程度のジッター性能を有するトリガーパルスの出力を確認しており、これは加速高周波機器用のトリガー信号として十分な性能である。本発表では本プロジェクトにおけるトリガーシステム開発の現状について報告する。 |