FRP29  ポスター④  9月1日 14号館1441教室 10:10-12:10
J-PARC MRに新品の機器を加える場合の焼き出し運転の評価
Evaluation of bake-out operation when new equipment is added to J-PARC MR
 
○魚田 雅彦(高エネ研/J-PARCセンター)
○Masahiko Uota (KEK/J-PARC)
 
大強度陽子加速器J-PARCのMRシンクロトロンは、2008年5月の入射試験から数えて15年が経過し、パラメータ調整・変更と機器の改造・更新により所期計画での強度750kWでの速い取り出し運転が恒常的に実現しようとしている。MRでは、陽子ビームバンチの通過によりビームダクト内壁表面からの気体放出現象が観測されている。放出量はバンチの電流密度及び表面に付着している気体分子量と相関しており、ビーム強度が高いほど、また真空の圧力が高いほど放出量は大きい。メンテナンス時に交換した場所は大気からの排気時間が少ないため元々圧力が高い上にビーム運転によりさらに圧力が悪化し、残留気体分子との衝突によるビームロスを引き起こしてしまう。そのためメンテナンス期間明けの調整運転では、強度を落とした周回ビームによる気体放出を促す時間が必要であり、それを我々ローカルに「焼き出し運転」と称している。ユーザー側の立場からは短いことが望ましい焼き出し運転に必要な時間がどの程度必要であるかは、ビーム調整の計画を立てる上で極めて重要な課題となっている。発表では、これまでの実績からビームによる焼き出し効果を検証し、新品の真空ダクトに必要な焼き出し運転時間を評価する。