FRP20  ポスター④  9月1日 14号館1431教室 10:10-12:10
遮蔽用鉄材を再利用した四軸コリメータの製作
Fabrication of four-axis collimators reusing shielding iron material
 
○白形 政司(高エ研/J-PARCセンター)
○Masashi Shirakata (KEK/J-PARC)
 
茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設J-PARCでは、取り扱う陽子ビームの品質を上げるためにビームラインおよび各加速器リングにビームコリメータを設置している。遅い繰り返しのシンクロトロンでは、ビームコリメータ群で受けることの出来る合計のビームロス許容量を450 Wから3.5 kWまで増加させるために、ビームコリメータ7台体制の整備をすすめてきた。その途中、2014年に4台が真空トラブルのためリタイアし、MRトンネル内で保管することとなった。通常残留放射線量の多い機器がリタイアした場合再利用されることはほぼ無いが、これらについてはビーム曝露時間が短かったため、6年の間に残留放射線量が十分に低下した。また2015年以降、ビームコリメータは設計を改め四軸化された。二軸コリメータと四軸コリメータではビームダクトの可動範囲が異なるため本来互換性は無いが、ビームダクト周辺部材の形状の工夫で違いを吸収することができたため、リタイアした二軸コリメータの遮蔽体を再利用して三台の四軸コリメータを製作した。これにより、ビームコリメータの製作コストを抑えつつ、放射性廃棄物となる鉄材を大幅に減らすことにも成功した。ここではリタイアした二軸コリメータの残留放射線量の変化と、遮蔽体を再利用した四軸コリメータの設計を紹介する。