THP014  ポスター③  10月20日 会議室P 13:00-15:00
ガフクロミックフィルムによるビームロス評価
Beam loss evaluation by Gafchromic film
 
○塩澤 真未,帯名 崇(高エネ研)
○Mami Shiozawa, Takashi Obina (KEK)
 
加速器シールド内での放射線量分布を正確に計測することは、運転中にどの場所でビームロスが発生しているのかを知るために非常に重要である。さらに、加速器室内の機器を故障前に交換したり、遮蔽鉛等で保護したりするにあたっても放射線量の高い場所をみつける目安にもなる。一般的に放射線量はサーベイメータやフィルムバッチ、各種のビームロスモニタ等によって測定可能であるが加速器室内の広範囲にわたって詳細な分布を知るためには安価で設置・計測の容易なツールが望ましい。そこで、放射線を簡便に測定できるツールとしてガフクロミックフィルムを用いてKEK内の加速器compact Energy Recovery Linac (cERL)とPhoton Factory (PF)においてビームロスを測定した。ガフクロミックフィルムとは放射線への暴露により放射線感受性モノマーの破断、重合作用で変色するラジオクロミックフィルムの一種であり、もともとは医療分野でX線やγ線の線量分布測定用に開発、販売されてきたが、近年加速器分野においても応用されつつある。本発表では、ガフクロミックフィルムの説明や取り扱い上の注意などを紹介したあとに、実際に測定した加速器の運転パターンによるビームロス分布の違いや、放射線エリアモニターを用いた絶対値の較正等について報告する。